お客様は神様ではなく対等な立場である

私は高校生の時に、スーパーで3年間働いた経験がありますが、今から働こうと思っている人にはあまりお勧めは出来ません。

なぜかと言うと、接客業として働いている私たちに人権がないかのように理不尽な扱いを受けるからです。

これは「お客様は神様」という言葉の意味を勘違いしている人が多くいて、従業員はお客様のためなら何でもするのが当たり前なことだと認識しているからだと思います。

この記事では、お客様と従業員のあるべき姿についてお話しします。

実際にあった理不尽な体験談

私が働いていたスーパーでは、以前からしつこくクレームを入れるおばさんがいました。

最初の頃は、何かと難癖をつけている面倒くさそうなおばさんがサービスカウンターによく居るなと思っていただけでした。

少し仕事が慣れてきた頃のこと、いつも通りに品出しをしていたら、商品がどこにあるかと尋ねられました。

その時私は、その商品がどこにあるかまだ把握していなかったので、「分かる者をお呼びします」と伝えてチーフに聞きに行こうとしました。

しかしその人は私に「働いてるのにそんな事も分からないなら辞めてしまえ」と言ってきました。

まだバイトを始めて数ヶ月のことで、何でこんなことになったのか考えられず、驚きでいっぱいでした。

そのあとも罵倒され続け、たまたま通りかかったパートさんが助けてくれました。

事情を話したところで、チーフも駆けつけ一言目に「申し訳ございません」と頭を下げ、相手方の言い分を聞き入れ、私の代わりに何度も謝っていました。

私は何故こんなことを急に言われ、どうしてチーフがこんなにも頭を下げなくてはならないのかと考えてみても答えが見つかりません。

バックヤードに戻ったところでチーフに「すみません」と言うと、「これが私の仕事だから仕方ない、あまり気にするな」と言われ、この接客業の辛さが少し分かったような気がしました。

そのまま私は3年と働き続け、その間も何度も何度もお客様に文句を言われました。

しかし何年も働いているうちに、文句を言われるのも仕事なのだと思い始め、「すみません」と言う時の私には何の感情もありませんでした。

私はその時にチーフの言っていたことが何となく分かり、それと同時に店員からロボットに成り下がったような気がしました。

お店としては、これが店員のあるべき姿なのでしょうか。

それとも、お客様からしたらこれが望ましい姿なのでしょうか。

私は結局のところずっと働き続けましたが、理不尽なクレームを入れる人の考えていることに理解が及ばず、ロボットのまま仕事に終止符を打ちました。

本来のサービスのあるべき姿とは

一体いつからこんなにも客層が悪くなり、お客様が絶対的な存在になってしまったのか。

それは、”お客様は神様なんだから完璧に接客をしろと言う上司”が悪いのか、それとも”言葉の意味を勘違いしている客”が悪いのか。

この答えの正解は皆さまの考え方にもよりますが、私は両方悪いと思います。

確かにお客様がいなければお店は繁盛しないし、お客様を第一に考える姿勢は間違いではないです。

しかし、何もかも鵜呑みにしてお客様の言いなりになるのはお店側の悪いところではないでしょうか。

そもそも「従業員<お客様」ではなく、「従業員=お客様」が本来の形なんです。

100円の価値がある商品を、お客様が100円を払って買うのに上も下もありません。

ただ、お客様がわざわざこのお店に来ていただいたという感謝の気持ちを態度で示すのがサービスだと思います。

このサービスの気持ちが不快に感じるなら、このお店には来なくて結構ですという姿勢をお店側が取っても良くないですか?というのが私の考えです。

接客業はお客様の言う事を聞くだけの奴隷ではないんですよ。

お店を出たら、従業員もお客様も同じ人間で、何故お店に入ると上下関係が生まれるのかは私には到底理解できません。

私は単純に、お店に対してそういう態度を取る人間に、お店を立ち入り禁止にすぐ出来てしまうような世の中になって欲しいなと思います。

決して従業員はロボットや奴隷ではありません。

一人一人がもう少し従業員に対しての心遣いを改めて欲しいです。

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