「若者の車離れ」という言葉を耳にしたことはありますか?
今現在、若者の車への意欲がかなり失われているようで、免許すら取らない人も増えています。
昔は食べる物すら我慢して、かっこいい車に乗るのが男のロマンだったんですけどね…
今では車のために生活をかけるなんてことは、ほとんどの人たちが考えられないでしょう。
この「若者の車離れ」にはどんな背景があるのでしょうか。
買わないのではなく買えないのが現実
車の販売などに携わっている人たちは、若い人が車を買わないことを「若者の車離れ」なんて言葉で表現していますが、私はこの言葉の使い方が間違っているのではないかと思います。
実際は、「若者が車を離れる」ではなく「車が若者から離れている」のほうが正しい答えでしょう。
何故そう思ったのかはいくつか理由があります。
それは、経済的な理由と世の中の暮らしやすさが発展したことです。
まず、経済的な理由に関しては三つの理由です。
- 給料がそこまで貰えない
- 車の値段が高くなりつつある
- 買ったあとも維持費で苦労する
これが若者から遠ざけてる大まかな理由です。
ここからは、この三つの理由をより深く考えていきます。
車が進化を遂げるほど若者からは遠ざかる
まず、車の価格からお話しします。
車の値段が高くなっていくのは、それなりのことをしているからだと思います。
昔と比べて今の車は機能が充実していて、安全装備もバッチリです。
また、地球の環境に優しいエコカーが今では普通になりました。
これらの良いところを全て一つにまとめて搭載していることにより、車の価格がどんどん高くなっています。
これは、お客様の車ライフを支えるためにお店側が力を入れていることであり、仕方がないことだと思います。
しかし、魅力的な車を売りたくて性能をよくしたが為に価格が高くなり、次の世代を生きていく若者に売れない状況が続くのであれば、これは本末転倒です。
若い世代の子たちは、そこまで高くなっている車には手が出せません。
車の性能よりも、どうしたら若い子たちが車に興味を持つかで勝負してもらいたいと思ってしまいますね。
車の価格と私たちの給料の比較
車の価格が高くなるなら、お給料も高くならないと車を買うなんてまた夢の話になってしまいますよね。
お金に余裕がないとそんな大きな買い物はしたくありません。
しかしながら残念なことに、私たちのお給料事情はというと、なかなかに低空飛行が続いています。
日本人の平均給料が1997年に467万円になってから、徐々に右肩下がりに落ちていき、リーマンショック後の2009年には406万にも落ち込みました。
そのあと、2012年にアベノミクスが始まり、少しずつ平均が上がっていますが、90年代と比べたらまだ低いままです。
こんなにも私たちの給料が昔と比べて落ち込んでいるのに対して、車の価格が落ちることはまったくないです。
例えば、小型乗用車(国産 1500cc以上〜2000cc以下)は、1970年の頃は65万円で買えましたが、2018年には298万円と大きく上昇しました。
また、ファミリーカーの王道のミニバンや、女性受けの良いSUVなどになると、更に価格が膨れ上がります。
給料が落ち込む中で、ここまで価格が上がると手が出しづらいのは当たり前ですね。
維持費がつらいのが一番の決め手
これだけの悪条件の中で車の購入をしてみても、購入してから更にお金がかかるのが車なんです。
車を所有したいか考えるのに一番ネックなのが維持費なのかもしれません。
維持費で生活苦になり、車を手放す人さえいます。
この維持費ですが、かかる項目は大きく分けて4つになります。
- 税金
- 保険料
- メンテナンス費用
- ガソリン代などの運転費用
もっと具体的に言えばいろいろありますが、この4つの費用を合わせると、年間で約40万〜50万円かかります。
これは車の状態や車種によって差がありますが、大体この値段となります。
これを月の換算にすると約4万円近くかかることになりますね。
また、車をローンで購入した場合は毎月の支払いの分が上乗せされます。
これだけのお金が毎月かかるとなると、なかなか厳しいものがあります。
それと、意外と考えられてないのが奨学金です。
大卒の人が会社員になると、一番悩まされるのが奨学金の支払いなんですよ。
車のことよりも奨学金を返すのにいっぱいいっぱいです。
これらを踏まえて、何が車を所有しない原因か、一言で言えばお金がないから買えないのです。
この先、車はもっともっと進化を遂げて、より一層近未来的なものが販売されていくことでしょう。
ですがもう少し、車よりも所有する立場の人のことを考え、何かしらの改善案があれば、もっと車を所有する人が増えるのではないかと私は思います。
実際のところ車が無くても困らないのか?
ここでは二つ目の理由の、世の中の発展についてお話しします。
なんと言っても、交通機関がとても充実しました。
特に、都内の移動はほとんどが電車やタクシーばかりで、自分の車でどこかに行くと考える人は少ないのではないでしょうか。
しかし、地方になると、コンビニやスーパーなどに向かうときに車が必要不可欠となります。
それぞれの意見は違いますが、ここでは都内の人たちの意見を参考にしてみたいと思います。
都内に住む人は車の所有が少ない
都内の人が思う車に対しての考えがこちらです。
- 車の駐車場代が高い
- 電車のほうが楽でいい
- 事故が怖い
これらの3つの点についてが、都内に住んでいる人たちの意見で多くあがりました。
まず、都内の行き来は電車が主流で、会社や学校に通っている人などは、自分の持っている定期の範囲で移動している人が多いそうです。
また、車は所有しているが、たまにしか乗ってないと言う人は、都内の道路では分かりづらいところが多く、運転するのが怖いので電車のほうが楽でいいと言います。
確かに、私も仕事で都内を運転するときは、慣れていない道路などは怖いと思います。
都内の道路では頻繁に事故が起こりますし、首都高のスピード感はなかなか慣れないものです。
実際に、私は都内に住んでいるわけではないですが、どちらかと言えば、都内の場合はバスや電車で移動したいなと思ってしまうので、この意見には共感してしまいます。
なので、都内で「若者の車離れ」が加速するのはうなずけてしまいますね。
車が売れないのはこんな理由もあると思います
この日本は少子高齢化が進み、高齢化率が27.7%となりました。4人に1人は65歳以上となります。
このまま少子高齢化が進むと、そもそも若者の人数の方が少なくなる可能性すらあります。
これは、車の問題以上に深刻な問題ですが、少子高齢化が進んでいることに、車の売れ行きが悪くなるのは関係ないとは言えません。
この少子高齢化問題も改善されないかぎりは、車の売れ行きはどんどんと落ち込むと思います。
なかなか上手くいかないものですね。
最後に
車は高いですし、維持するのも大変で、良いところがあるのかと思うと、悪いところのほうが目立って見えるのかもしれません。
また、今の若い人は、車以上にネットやゲームなどの違うことにお金をかけたい気持ちが多くなっているのもあるかと思います。
今の若者へ車を買う意欲を出させるために、生活を軽減する改善案を何か出してもらえたら嬉しいですね。